大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2213 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A同Bの弁護人鬼丸義斎同松浦是の各上告趣意、被告人Bの弁護人野田底

司の上告趣意は、末尾の書面記載のとおりである。

被告人Aの弁護人鬼丸義斎同松浦是の上告趣意について。

論旨第一点及び第二点は、いずれも事実誤認、同第三点は量刑不当の各主張であ

るから上告の適法な理由とならない。

被告人Bの弁護人野田底司の上告趣意について。

所論の大審院判決は、刑法四七条但書の制限に従わなければならない場合に、判

決においては単に刑法四五条、四七条、一〇条により重い「罪ニ付キ定メタル刑ノ

長期ニ其半数ヲ加ヘタル範囲ニ於テ処断スヘク」としたため、刑法四七条但書の制

限を超えたことゝなるので右但書を適用しない違法があると判示したものであり、

同条但書の適用がある場合には判文上特にそのことを明示しなければならないとい

うのではない。従つて、第一審判決が被告人Bに対する適条として刑法の諸規定を

挙示し刑法四七条をも列記している以上同条但書の制限に従つたことは明らかであ

るから同判決を是認した原判決には判例と相反する判断もなく違法もない。それゆ

え論旨は理由がない。

被告人Bの弁護人鬼丸義斎同松浦是の上告趣意第一点について。

所論においては判例違反を主張しているが、大審院判例を具体的に摘示していな

いから、適法な上告の理由に当らない。なお、法律上他人から財物又は財産上の利

益を受くべき権利を有する者がその権利実行のため恐喝手段を施用しても恐喝罪と

はならないが、その恐喝手段たる行為が他の罪名に触れる場合にはこれを不問に付

すべきものではない。そしてまた、債権取立のためであつても、債務者に対し第一

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審判決の摘示するような事項を記載したはがきを郵送する行為は、脅迫罪を構成す

るものというべきである。それゆえ、第一審判決を是認した原判決には所論のよう

な違法はない。

同第二点について。

論旨の理由ないことは、弁護人野田底司の上告趣意に対する判断において示した

とおりである。

同第三点について。

所論は、量刑不当の主張であるから適法な上告の理由とならない。なお、記録を

調べても本件については刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二七年三月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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